
●ZENが灯るシリコンバレー
社会の兆しは、「癒し」を求めて学び続けてきた人々が、「癒し」を提供する側へとどんどん変わってきています。
現実のビジネスや家庭、さまざまな人間関係において、忍耐し悩んで来た人々が、スピリチュアルな学びを深めたいと、興味関心をよせるようにもなってきています。
ビジネス界では、能力開発をするために瞑想や禅を取り入れている会社も増えてきています。
特に、シリコンバレー一体が禅にハマっています。グーグルやフェイスブックなど有名企業のエンジニアが瞑想に夢中になっているのです。
日本人僧侶の乙川弘文(おとかわ・こうぶん)という1本のマッチが、アップルのスティーブ・ジョブズという1本のローソクに火を付け、そのたった一本のローソクから、10本、100本、1000本とシリコンバレー一体に火が伝授されていったのです。
やがて、このシリコンバレーのロウソクは、全米に広がるのは間違いないでしょう。
もしかしたら、没落しつつあるアメリカを再生できるのは、日本の精神なのかもしれません。
グーグルでは、社内研修「自己探索」と題された瞑想講座を、社内カリキュラムの一環でやっているそうです。最初は感情のコントロール方法を教え、仕事に役立てようというものでした。
それが、大人気の講座となり、社外の人も一度受講しようと、何百人も順番待ちしているらしいです。
最近では、社内の敷地に歩行瞑想用の迷路まで、作られたようです。
今や、シリコンバレー一体が禅のメッカになろうとしているのです。
瞑想をすることによって、自分の意志や意図を行動に反映させることが容易になったり、周囲の情報に振り回されず的確な判断を下し、行動することができるようになるという、企業の人材育成の有益なメソッドとして定着したのです。
禅ブームのもう一つの流れに、ハリウッドのセレブスターの流れがあります。
ポール・マッカートニー、ラッセル・ブランド、デヴィッド・リンチ、クリント・イーストウッド、ニコール・キッドマン、ジョージ・ルーカス、キャメロン・ディアスなど、芸術家、俳優、映画監督など、名立たるハリウッド・スターが実践しているのです。
こちらの流れは、インドのマハリシ・ヨギーという人物が紹介した超越瞑想(TM)です。
この瞑想の特徴は、たくさんの努力や訓練を必要としなく、毎日長い時間を費やさなくてもできる瞑想です。
ある言葉や音に心を集中させたり、何かをイメージすることで、心を静寂へと導く一般的な瞑想方法は、世俗に生きている一般人には向かないと考えられてきました。
なぜならばこの方法だと、高い意識に到達できるのは、僧侶など限られた人にしかできないことになるからです。
心を内側の静寂へと導く最も効果的な方法は、それが自然に起こるようにすることだと説きます。
必要なのは、心を正しい方向に向けることだけ。そうすれば、心は、それ自身の本質に従って内側の静寂へと自動的に進んで行くといいます。